電力自由化から2年…ENEOSでんきに変えた結果は?電気代とCO2排出係数の比較!
Canteenです。
一般家庭向けへの電力自由化が2016年1月にスタートしてから、はや2年が経過しました。
Canteenは、原発事故を起こしたにも関わらず原子力発電を辞めない東電や既存の電力会社に嫌気がさして、すぐに旧東京電力からENEOSでんきに電力会社を変更しました。
ENEOSでんきを選んだ理由は、当時選べる電力会社の中で、Canteen調べでは最も再生可能エネルギーに実行力をもって取り組んでいるように思ったからです。もう少し安い電力会社もあったように記憶してますが。
電力小売全面自由化の進捗状況と 更なる競争促進に向けた取組(2018年4月27日資源エネルギー庁)によると、新電力の低圧分野における販売量シェアは7.5%、既に自由化されていた分野と合わせると12.6%が新電力に切り替わっているそうです(2017年末時点)。まだまだ、新電力への切り替え余地はありそうです。
電気自体にいいも悪いもないので、
- 発電方法
- 金額面でのメリット
- その他のサービス
- 契約可能な地域
なんかが電力会社を選ぶ上での重要なポイントになりますよね。Canteenはエコな発電かどうかが気になりポイントなので、電力会社のエコ度を図る指標となるCO2排出係数の現時点での最新版の情報を元に電力会社を比較してみました。
Canteenが契約しているENEOSでんきは、料金体系がシンプルで、Tポイント貯めれたり、月々の使用金額を簡単に確認できたりしてよかったです。契約して1年半ほどですが、変更してみての結果を料金も含めてレポートしていきます。
2016年当時は制度が始まったばかりで、実績が少なく良いも悪いもなかったですが、2年間が経過した今、ENEOSでんきを含めて、各電力会社の状況をレポートしたいと思います。
我が家の電気使用量の推移
我が家の電気使用量はこんな感じでした。
今年に入って毎月前年超えでした。うわー。思い当たる節があるとすれば、プロジェクターを新しく買ったことくらいで…。プロジェクターって電気食うんですかね。
それはさておき、我が家は2人暮らしで30A契約でした。それで年間の費用は、直近1年間で62,304円でした。ちなみに2413.5kWh/年でした。
ネットで調べてみると、2人世帯の月の電気代は平均9,176円/月らしいです。出典は総務省の家計調査2017年の結果です。
ホントですかね?
高すぎる気がしますが。
9,176円✕12ヵ月=110,112円
で我が家の倍くらいいっちゃいます。
東京電力だった場合のお金
もともとは東京電力ホールディングス株式会社(TEPCO)だったので、TEPCOの従量電灯Bだった場合の電気代をTEPCOの電気料金試算ページで算出してみました(直近1年間)。すると、65,909円でした。
細かいこと言うと燃料費調整や再生可能エネルギー発電促進賦課金が変動しているので、厳密な比較ではないですが、我が家の場合、おそらく3,000円程度はTEPCOと契約するよりもENEOSでんきにしたおかげで安くなっていました。
あれだけの原発事故を起こしておいて、公的資金で事業を継続しているTEPCOなんかよりも電力自由化を存分に活用して、新電力会社と契約して電気代を安く押さえましょう。
エコな発電方法の電力会社はどこか
CO2排出係数とは
2年くらい前に契約を検討していたときには、ENEOSは石油やガスの会社であるにも関わらず比較的大規模で他の電力会社よりも原子力発電に頼らないかつエコな発電に取り組んでいるようにみえたので、ENEOSでんきと契約しました。もう少し安い電力会社もありましたが。
ENEOSでんきのエコ具合がどんなもんかを他の電力会社と比較するには、「CO2排出係数」というのが使えます。
こちらのページによくまとまっていますが、再生可能エネルギーでも固定価格買取制度(FIT)を利用している場合、電気利用者負担の賦課金があるため、それを加味してCO2の実排出係数は補正(調整後排出係数)されています。
CO2排出係数はこちらで毎年公表されています。2018年5月時点では2016年度までのデータしか公表されていませんでした。
さらに、資源エネルギー庁の電力需要実績の統計から電力需要が多い順(2018年1月現在)にCO2排出係数を確認してみると、こんな感じになりました。ヒートマップにしています。赤が濃ゆいほうがエコじゃないです。
ちなみに、エコ順(調整後CO2排出係数順)に並べ替えるとこうなります。
「実排出係数」と「調整後排出係数」の2種類の係数があります。電気事業者ごとの実排出係数及び調整後
- 実排出係数=二酸化炭素つくった量/販売電力量
- 調整後排出係数=実二酸化炭素排出量に、固定価格買取制度による固定価格買取費用の負担に応じた買取電力量相当量の割合で実二酸化炭素排出量を調整した量を加えて調整した量から、京都メカニズムクレジット等を控除した量を、当該電気事業者の販売電力量で除して算出。
(固定買取価格制度(FIT電気)で電力買ってても実際はそのお金は事業者ではなくて、電力使用者が賦課金として支払っているから、CO2ゼロとするのは不公平なので、FIT電力を買って販売した電力量には化石燃料の発電の平均でかかる二酸化炭素排出があるものとして、算出するぞ。)
ということみたいです。(参考:実排出係数の算出におけるFIT電気の扱いについて(2016年6月17日))
不公平かどうかはおいといて、費用負担が使用者に賦課金として強制的に請求されるFIT電気を使ったとしても、二酸化炭素の排出量は増えないので、調整後排出係数よりも実排出係数で比較するほうが、電力使用者が知りたいエコな電気かどうかという観点では正確な気がしないでもないです。余計にお金を払ってでも、原発や石油に依存しないエコな電力を使いたいというニーズはあると思います。
ただいずれの指標においても大阪瓦斯や東京ガスといったガス会社の発電が二酸化炭素排出量が少なく最もエコな発電と思われます。天然ガス発電は二酸化炭素排出量が比較的少ないことに起因しているのかもしれません。
エコ発電と信じて契約していた我が家のENEOSでんき(JXTGエネルギー(株))は、調整後排出係数で比べると大手30社の中で6番手に位置していて、エコ発電に近いと判断してもよさそうです。実排出係数ではちょうど真ん中くらいで微妙ですが。
ENEOSでんきのサービス
シンプルな契約プラン
家庭用としては、Vプランという一択です。料金体系がわかりやすいです。
「にねんとく2割」という解約金1,080円(税込)があります。2年毎の解約期間以外は、解約金がかかります。
1〜2年目 :1kWhあたり0.2円安い!
3年目以降:1kWhあたり0.3円安い!
です。1〜2年目だと3,000kWhで600円お得です。長くENEOSでんきで契約する場合には、入らなきゃ損です。1,080円(税込)の解約金が安いので、損するとしても数百円程度だとは思います。使用する電力量によりますが、我が家だと2300kWh/年くらいで460円お得になるので、2年間経てば、最悪解約金払っても損はしないです。
新規契約の場合には、にねんとく2割の契約も是非検討されてください。
Tポイントがもらえる
Tポイントカードを登録すれば、月々の電気料金200円(税抜)につき1ポイントが付与されます。なので、0.5%還元ですね。
また、電気料金の支払いをクレカ払いでREXカードにすれば1.25%つくので、Tポイントと合わせて1.75%還元されます。
これだけでも結構お得になります。
ただ、ENEOSでんきは現在契約可能範囲は関東周辺のみのようなので、ご留意ください。
まとめ
我が家が契約しているENEOSでんきは、大規模事業者の中では上位に入るエコな事業者でかつ、電気料金もお得になっていました。旧東京電力から乗り換えて良かったです。
ただ、この記事書いてるうちにわかったのは、「FIT電気はエコな電気であるにも関わらず、賦課金の補助があるためにクリーンなエネルギーであることを宣伝することは禁止されている」ということです。
また、調整後排出係数にはFIT電気でもあたかもCO2を排出しているかのように評価されていますので、実排出係数のほうがエコかどうかの判断をする上ではより現実に即していると思います。
そこで、CO2の実排出係数の優れた順に並べ替えてみると、
こんな感じで昭和シェル石油(株)、丸紅新電力(株)、大阪瓦斯(株)が上位になってきます。エコが大事とはいえ、電気代も安くなってエコな発電でっていう両得できるのが一番ですよね。後は財布との相談です。
以上、ENEOSでんきに変えてみた結果のレポートと電力需要の上位30社のCO2排出係数の比較でした。
FIT電気といった制度のためにエコ発電をエコ発電と謳えなかったり、ややこしいですね。
福島の相当な土地を失ったような大事故があったにもかかわらず、未だにクリーンエネルギーではなく原子力発電を推進する政府の政策は、これからの脱石油で技術革命が進んでいくと思われる世の中で取り返しのつかない損失を日本にもたらしていると思います。
脱石油及び脱原子力のクリーンエネルギーに舵を切るべき、大きなキッカケとなる事故だったのに非常に残念です。
話がそれましたが、電力会社を変更できる時代にあって電気代もお得になりますので、新電力を選択しないのは単純にもったいないです。新電力会社への変更で、皆様の家計の負担が少しでも減れば幸いです。