2,500g未満の低体重児を出産された方へ。ケアのポイントと健康リスク。
Canteenです。
うちの子どもは予定日よりも3週間ほど早く、2,300gちょいで産まれてきたのですが、何が大変かというと母乳やミルクをなかなか飲めないことでした。
どういうことかというと、体が小さい分、母乳やミルクを吸う力が他の子に比べるとだいぶ弱いのです。3,000gオーバーの子供とは体の大きさが一回りも二回りも小さく、そうした赤ちゃんが10分程度で授乳を終えるのに対し、うちの子どもは平気で1時間近くかかっていました。
予定していなかった帝王切開や早産等で予定日よりも早く出産されている方も多くいらっしゃると思います。
我が家での産まれたての低出生体重児の子育ての四苦八苦について、ご紹介していきます。低出生体重児の似たようなお子さんがいらっしゃる方の一助になれば幸いです。
他の子よりも授乳に時間がかかる
東京23区内の私立病院で妻が出産したのですが、そこでは1日5人以上分娩があるような病院でした。その病院では、低出生体重児やその他懸念があるために母子同室となることができなかったお母さんは新生児室に3時間おきに授乳に向かいます。
そこで何が起こるかというと、他のお母さんと用意ドンで授乳がスタートします。
他のお母さんはさくっと10分ちょいで授乳を終えるところを、妻の授乳は1時間近く時間がかかり、出産したばかりで気持ちの落ち着かない母親にとっては、置いてきぼり感があってなかなか精神的に辛い感じになっていました。
ただ、体重が3,000g前後あるような赤ちゃんと、四捨五入すると2,000gになってしまうような赤ちゃんでは体や口の大きさ、力強さ、さらに泣き声の大きさも異なります。なので、低出生体重児で授乳に時間がかかってしまうのは、しょうがないことと割り切って考えるしかないと思います。
しかし、赤ちゃんにとっても、授乳に時間がかかるのはよくないです。授乳に時間がかかると、
- 赤ちゃんが体力を消耗する。
- ミルクが冷めてしまい、お腹が冷えてしまう。
- 3時間後の次の授乳のときに、赤ちゃんが疲れていたりお腹いっぱいだったりして、スムーズに授乳できなくなる可能性がある。
というわけでいろいろ大変です。時間がかかるのはよくないと言いつつも、赤ちゃんに体力をつけてもらうためにも、粘り強く授乳する必要があります。
低出生体重児の健康状態にはリスクがある
低出生体重児の何がよくないかというと、
- 体が小さいため、体温が下がりやすい。
- 黄疸(肝臓の機能が不十分で、その結果、体が黄色くなること)がでやすい。
- 授乳や赤ちゃんの保温が不十分になりやすいため、低血糖を起こしやすい。
- その他、合併症の発症の可能性がある。
といったリスクが、身体の大きい子よりも身体が小さい分高いということです。
メルクマニュアルというMSD(外資系製薬会社)が提供している一般向けの医学書にて、後期早期産児の項で説明がされていますので、合わせてご覧ください。日本の場合は、低出生体重児と呼ばれ、体重が2,500g以下の赤ちゃんが該当するようです。
低出生体重児は母子同室できない
上記のようなリスクがあるため、低出生体重児は新生児室で体温の管理や心拍のモニタリング等が行われます。そのため、基本的には母子同室にはなりません。結果として、やむを得ないことですが産後の赤ちゃんの様子がなかなか見えてこず、父親や母親としてはなんとなく不安になります。
産後の母子同室ができる病院で母子同室を希望していた場合には、予定と異なりモヤモヤした気持ちになるかもしれません。
ただ、赤ちゃんの健康にとってベストな状況にしてもらっているので、安心して病院のスタッフに任せましょう。
低出生体重児は退院できない
低出生体重児は体重がある程度増えなければ、病院の定める退院基準を満たさないため、退院できません。
その際、お母さんも入院を続ける、または退院して授乳のために病院に通うかのいずれかを選択しなければなりません。
これは結構大変なことになります。何が大変かというと、
母親が入院を続ける場合、
(1)健康な母親の入院等の費用は保険診療外になりますので、多額の自己負担費用が発生する
(2)母親の入院生活を延長することになる
さらに、入院生活に辟易して早く退院したいお母さん方も中にはいらっしゃると思います。
一方、母親だけ退院すると、3時間おきに病院に授乳のために出来るだけ多く病院を訪問する必要がでてきます。夜中は病院の人に任せれば良いでしょうが、毎日数時間おきに病院に通うのは、自宅からすぐ近くの病院であれば実現可能性がありますが、病院が自宅から遠方の場合には、産後間もない母親には大きな負担と健康リスクになります。産後は安静にしておかないと後々母体に悪影響がでてくる可能性があります。
仮に、病院にお願いして低出生体重児を自宅に引き取ると体温管理や授乳の管理を一手に引き受けることになるので、それはそれでなかなか大変です。出産の時期にもよりますが、保温をしっかり行うことがとても重要になります。我が家の場合、体重が2,500gを超えてくるとだいぶ母乳を吸う力が強くなってきましたので、そこらへんが目安かもしれません。
まとめ
以上、低出生体重児で気をつけるポイントのご紹介でした。
低出生体重児だといろいろケアすべき点が増えます。普通の体重の赤ちゃんでの世話の経験しかない方の話を聞くと、そこまでケアしなくていいとか言われてしまうかもしれませんが、赤ちゃんの状況が異なりますので周囲の体験談を鵜呑みにせずにしっかり保温と授乳を行いましょう。また、医学的判断には医師の診断が必要となります。情報収集はもちろん重要ですが、自分で判断せずに担当医に必ず不明点や懸念点は相談しましょう。
病院内では哺乳瓶の貸出がありますが、帰宅後は相変わらず母乳だけでの授乳では厳しいと思います。乳児用の哺乳瓶の中でも、特に小さい吸口の哺乳瓶をご紹介しておきます。
哺乳瓶は最低3つほどあると、まとめて煮沸消毒や薬剤での消毒を行うことで、授乳ごとの消毒が不要となり、ストックの哺乳瓶を活用できて便利です。どの吸口が皆様の赤ちゃんに合っているか確かめるためにはまとめてではなく、1本ずつ購入して試されることをおすすめします。
こちらの記事に我が家での低体重の原因となった羊水過少症について、ご紹介していますので、該当しそうな方は合わせてご覧ください。
また、妊娠がわかったらすぐやるべき出産する病院選びと出生前診断を受けるかどうかの決定等のやることをまとめていますので、ご覧ください。