もう迷わない!出生前診断を受けるべき時期、費用、種類を徹底解説!

2018年10月21日

Canteenです。

出産にあたっていろいろ心配があるかと思いますが、考えなくてはならないことの1つに『出生前診断を受けるかどうか』があると思います。

出生前診断とは胎児に先天性の疾患がないか、確認するための検査です。受けるかどうかは、非常に重要な問題ですので、夫婦でしっかり話し合いましょう。

というのも、

  • 障害児が産まれた時に育てていく覚悟があるか
  • 金銭面で余裕があるか

など、きれいごとでは済まない部分があるからです。

また、高齢出産になるほど先天性疾患の確率が高まります。人口動態統計によると年々出産年齢は高まっていて、2016年の女性の平均出産年齢は30.7歳です。30歳過ぎから急激に先天性疾患のリスクが高まっていきます。出生前診断の重要性が高まるわけですね。先天性疾患の種類や発症の確率についての詳細はこちらの記事をご覧ください。

妊娠しているまたは子供を作ろうと考えている方で、ほんの少しでも出生前診断を受ける可能性を感じる方は、急いで出生前診断を取扱っている病院を受診されてください

早くしないと出生前診断を受けられないことになりかねません。急ぐべき理由はこちらの記事にまとめましたので、よければ合わせてご覧ください。

出生前診断という言葉をご存知な方は多いかもしれませんが、出生前診断の具体的な手法やかかる費用については知らない方がほとんどだと思います。

ここからはCanteen調べの

  • 出生前診断の種類と内容
  • 出生前診断の費用
  • 出生前診断を受けられる期間
  • 出生前診断の取り扱いのある病院

についてご紹介していきます。

微笑む白衣の天使
微笑む白衣の天使

出生前診断とは?

出生前診断の種類

出生前診断といっても様々な手法があります。

中でも正確性が高くかつ母胎へのリスクも小さい診断方法は、新型出生前診断(NIPT;non-invasive prenatal genetic test(無侵襲的出生前遺伝学的検査)、あるいは母体血中胎児染色体検査)と呼ばれるものです。

ただ、NIPTは基本的には35歳以上でなければ受けることはできません。とは言いつつも、Googleで調べてみると一部の医療機関では35歳未満の受付もあるようです。2018年になって日本産科婦人科学会の方針転換で、NIPTを受けられる医療機関を増やそうという流れ(朝日新聞記事)もあるようです。

NIPTを含めて、検査でわかる先天性異常の種類、検査の正確性、費用などの詳細は、NIPTコンソーシアムのホームページによくまとまっていますので、ご紹介しておきます。

出生前診断の大体のイメージとしては、

  • 非確定診断と確定診断の2種類がある
  • 非確定診断は数万円程度(ただし、NIPTは20万円程度)
  • 確定診断(羊水検査・絨毛検査)は10〜20万円程度

といった感じです。出生前診断では通常、非確定診断と確定診断の2つを受ける必要があります。

出生前診断の注意点

どの種類の出生前診断にも共通する、出生前診断を受ける上で注意が必要な点を列挙しました。

  • 結果が陰性(異常なし)であっても、出生前診断では見つけることのできない種類の障害のある子どもが産まれてくる可能性がある。
  • 高齢での出産になるほど、先天性の異常が起こる確率が格段に上がる
  • 遺伝子検査は、基本的に二段階の検査(血液検査とその後に確定診断のための羊水検査または絨毛検査)が必要である。
  • 羊水検査や絨毛検査には、流産のリスクがある(羊水検査:1/300、絨毛検査:1/100)。
  • 出生前診断ができる時期は限られている。
  • 遺伝子検査と羊水検査のそれぞれの結果を得るには、時間がかかる(数週間)。
  • 中絶する決断ができるリミット(21週6日)までに、確定診断(羊水検査または絨毛検査)を終わらせておく必要がある。
  • 確定診断のための羊水検査や絨毛検査には10万円以上の費用がかかる。
  • 検査の種類によっては、陽性と診断されても本当は陰性だったり、陰性と診断されても本当は陽性だったりする可能性がある。

どれも重要な点ですが、非確定診断の陽性(異常あり)/陰性(異常なし)の精度は、100%ではないことを認識しておくことは非常に重要かと思います。NIPTコンソーシアムの資料にもよくまとまっていますので合わせてご覧ください。資料の中でも着目すべきは『陽性的中率』と『陰性的中率』の考え方です。

非確定診断の1つであるNIPTの優れている点は、陰性的中率(陰性結果の人の中で実際に陰性である確率)が99%以上であることです。NIPTで陰性と出ればほぼ間違いなく陰性です。

一方、NIPTの陽性的中率は、年齢や疾患によりますが、例えば30歳・ダウン症のNIPTでの陽性的中率は61.3%です。この場合、NIPTで陽性と出ても10人中4人は実は陰性ってことですね。そのため、NIPTで陽性と出た場合でも、確定診断のための羊水検査が必要になります。

※ただ、ややこしいですがこの陽性的中率は検査を受ける人の構成によって大きく変化する可能性がありますので、やや注意が必要です。詳しくはリンク先の株式会社 日本医療機器開発機構(JOMDD)のブログをご覧ください。

確定診断に必要な羊水検査では妊婦のお腹に針刺しを行う必要があり、どうしても感染症や胎児を傷つけて流産しまうリスクがあります。流産のリスクは1/300と言われています。ちなみに絨毛検査は羊水検査よりも流産リスクが高く、1/100です。

出生前診断にかかる時間・費用の早見表

出生前診断を受けるためには下記のような多くのステップと時間、費用がかかります。

タスク かかる時間 自己負担費用
出生前診断について調べる、病院でカウンセリングを受ける 1〜2週間?
出生前診断を予約をする・受ける 1ヵ月前後  1〜20万円
検査結果を待つ 1〜2週間
(結果が陽性であれば)確定診断のための羊水検査を受ける 10〜20万円程度
羊水検査の結果を待つ 1〜4週間
(結果が陽性であれば)中絶するか決める 1週間?
中絶手術を受ける 1週間? 10〜30万円程度
合計 最大14週間 20〜70万円

ざっと見積もっても中絶に至るまで長いと3ヵ月以上(14週間程度)はかかりそうです。

中絶できるのが21週6日までですので、逆算すると遅くとも妊娠2ヵ月(7週6日)頃には検査の予約を始めたいところです。妊娠2ヵ月というのは妊娠したのがわかったばっかりくらいのタイミングですね。

検査の種類によりますが、妊娠10週頃から出生前診断を受けられます。

上記のスケジュール感は、検査の種類や医療機関の混雑具合、病院の方針などによって変化しますので、あくまで参考程度にご覧ください。ただ、早く出生前診断を受ける必要があることをご理解いただけたかと思います。

とにかく、出生前診断を受けるのであれば、早めの情報収集と行動が重要です。その理由については、こちらの記事にもまとめていますので、よければ合わせてご覧ください。

出生前診断を受ける方法

出生前診断はどこでも受けられるわけではない

どこの病院でも出生前診断の取り扱いがあるわけではありません。取り扱いのある病院にて、カウンセリングを受けてしっかりと診断の中身やリスクについて説明を受けましょう。

近所の小規模な産婦人科やレディースクリニックに行っても、懇切丁寧に出生前診断について教えてくれるケースは稀だと思います。そうした近所の小さな病院に長く通院すると、出生前診断を受けることのできる期間を過ぎてしまうことになりかねません。自ら積極的に動いて、出生前診断を取り扱っている大きな病院をすぐに受診し、専門医に相談することが重要です。

また、病院によっては出生前診断の予約が立て込んでおり、早めに申し込まないと出生前診断の結果が中絶ができる21週6日までに得られない場合がありますので、もし受けるつもりがあるなら、妊娠してすぐに出生前診断ができる病院を探し、すぐに予約すべきです。

中絶ができるのは、母体への影響も考慮して、21週6日までと決まっています。出生前診断を受けるのに、早いことに越したことはないです。

出生前診断の取り扱いの有無は通常、各医療機関のホームページから確認できます。

新型出生前診断を受けられる医療機関のリスト

いろいろ出生前診断には種類がありますが、結論から言うと一番安全でかつ正確性が高いのは新型出生前診断(NIPT;無侵襲的出生前遺伝学的検査、母体血中胎児染色体検査)です。

新型出生前診断(母体血中胎児染色体検査)については、NIPTを臨床研究で実施している医療機関のリストから実施可能施設を調べられます。ただ、通常これらの医療機関は35歳以上しかNIPTを受けられません。リストを見ていただくとわかりますが、ごく一部の大病院でしか取り扱いがないです。ただ、毎日新聞のNIPTに関する記事を見てみると、今後はNIPTを実施可能な病院が増えることが見込まれています。

NIPTは、日本で受けられる出生前診断の方法の中では最も安全かつ正確性が高いと思われますが、受けられる医療機関が限られていたり、35歳以上しか通常受けられないといった制約がありました。

命の選別だとか、カウンセリングが整っていない病院で実施されているとか、35歳未満での実績が少ないとかNIPTを巡っていろいろ議論があるようですが、それらは別にNIPTに限った話ではないですし、NIPTが35歳未満で認められない現状でも、確定診断のための羊水検査はNIPTよりリスクが高い上に35歳未満でも行われています。そのため現状では、NIPTを受けられないがためにリスクの高い羊水検査を無駄に受けている人がいる可能性があります(NIPT以外の非確定診断の検査方法では陰性的中率が低いため、陰性であることを確定するためには羊水検査が必要であるため)。そのため私は、NIPTは35歳未満でも受けられるべきだと考えています。

推奨しているわけではありませんが、こちらのサイトに35歳未満の方がNIPTを受けられる医療機関が載っていましたので、ご紹介しておきます。

我が家は受けませんでした

こうしてつらつら書きましたが、

我が家では話し合った結果、出生前診断を受けないことにしました。

そう決めた理由はいくつかあります。我が家の場合、高齢出産というほどの年齢ではなかったため、羊水検査による流産のリスクと先天性疾患のある子どもが産まれる可能性が同程度であり、流産のリスクを負ってまで確定診断のための羊水検査を受けたくなかったこと、さらにつわりに苦しみながらも妊婦健診で成長を見守ってきていたために赤ちゃんに既に愛着があり、中絶することに大きな抵抗があったことが主な理由です。

非確定診断の血液検査だけでも受けるという選択肢もありましたが、万が一陽性だった時に羊水検査を受けないのであれば、出産までのさらに何ヵ月もの間、どうしようもないことで悩んで過ごすことになりますので、それはやめようということになりました。

正直なところ、実際に先天性疾患を持つ子どもが産まれてみないと何ともわかりませんが、妊娠時点では万が一障害児であったとしても、一生懸命育てていこうと夫婦で決めました。

ただ結果としてですが、産まれてきた我が家の子どもには今のところ先天性疾患はなさそうです。

まとめ

出生前診断をネガティブに捉える人もいらっしゃるとは思いますが、もし先天性疾患のある子どもが産まれてきた時に育てるのは自分たち自身です。

金銭面はもちろんですが、その後の人生に大きな影響があることは間違いありません。

また、高齢出産が増えてきている現状では誰しもが先天性疾患のある子どもを持つ可能性が高まっています。特に35歳以上になるとその可能性が非常に高まります。下記の記事に詳しく記載しましたので、よければ合わせてご覧ください。

皆様が出生前診断を受けるかどうかを考えるための一助になれば幸いです。

2018年10月21日

Posted by Canteen