【レビュー】信長の野望大志パワーアップキットを買うべきか悩まれている方へ

2017年12月11日

Canteenです。

信長の野望大志が2017年11月30日に発売されました。

実は、Amazonのレビュー見て買う気がやや失せてしまいました。ですが、Youtubeでプレイ動画を観てみると、まあ、Amazonレビューでの指摘でもっともな部分もあるものの、本作では過去シリーズからシステムを大きく変更し、戦国のリアリティーを追求していることを考慮すると、蒼天録から全作プレイしてきた信長好きの私としては、とても改善されてるように感じました。

また、パワーアップキットの発売が2019年2月14日のバレンタインデーに予定されています。もともと2018年11月末に予定されていましたが、延期になっています。

それでは信長の野望大志のレビューを好きに書いていきます。

松本城と広いお堀
松本城と広いお堀

合戦が面白い

合戦が過去シリーズの中では、一番面白く仕上がっています。

各武将への指示が一定期間毎にしか出せず自由度が下がっており、これは戦国のリアリティーで、各武将にタイムリーに指示が出せるわけではないという時間のラグを再現しているようです。

さらに、挟撃、奇襲、潰走、撤退という部隊のステータスがあります。このステータスに応じて、戦況が傾き、相手を全滅させずとも合戦に勝利できます。一部の部隊が潰走や撤退を始めると、戦況が大きく後退し敗北につながるため、全部隊を潰走したり撤退しないように指示出しする必要があります。これまでは、援軍できた他勢力の味方部隊を矢面に立たせて自勢力の被害を減らすようなせこいやりかたも出来ましたが、本作ではそれをすると即敗北につながります。よくできていますね。

また、合戦時に作戦を選択することができます。作戦自体はちょっとまだ使いこなせていないのですが、啄木鳥等様々な固有作戦があるようです。

さらに、戦場に持ち込める兵数の上限が各地で設定されており、条件によっては寡兵で大軍勢を撃退することも可能です。コンピューターの動きもしっかりしていて、こっちがへっぽこ武将しかいないと、兵数で勝っていても平気で負けてしまいます。テクニックがないだけかもしれませんが。

(2018年11月追記)パワーアップキットでは、設置可能な施設コマンドが新たに導入されて、合戦の戦略の幅が増えています。具体的には、軍施設の設置が可能になっています。柵、陣、銅鑼台、狼煙場、鐘打櫓、見張小屋、鳥居、砦といったように非常にたくさんあるようです。さらに、罠の設置も可能です。沼罠、奈落、埋火、鉄砲水、山津波といったようにこちらも選択肢が多いです。また、政略の中に調略コマンドが新設され、合戦中の部隊寝返りも可能です。

合戦の勝敗が兵数の多寡に依存しすぎず、戦略や戦術の位置づけが高まりそうです。また、能力の低い武将ばかりでもうまく軍施設や罠を活用すれば勝利できるかもしれません。

パワーアップキットでは攻城戦実装

本作では攻城戦がなくなった点はマイナスかなと思います。上述の合戦を本作では、決戦と読んでいますが、決戦という名の野戦で一度勝利すると、落城及びその勢力を滅亡させたも同然になります。攻城戦では、包囲か強攻かのいずれかを選択するだけの自由度しかなく、一四半期ちょいですぐに落城してしまいます。前作の創造では殺風景であったりパターン化されたりの攻城戦マップで、決して最高ではなかったですが、それまでの中では一番攻城戦っぽい戦いが出来ていただけに、本作は残念ではあります。

(2018年11月追記)上記のように攻城戦のクレームを付けてましたが、パワーアップキットでは攻城戦が追加されています。

城ごとのオリジナルマップが追加されています。前作の創造のような別マップではなく、シームレスに1つのマップ上で操作する形になっています。前作のように各城にマップがあるのも好きだったのに少し残念です。ただ、攻城戦は曲輪を攻略していくという単調な作業にどうしてもなること、そして各城に固有の城グラフィックを作ることが恐らく難しいことを考えると、当然の帰結かもしれません。

攻城戦でもリアリティーが追求されていて、山城は曲輪の数が多く落としにくくなっていたり、参戦兵数の上限が決まっていたり、よく特徴づけられています。

また、攻城戦の実装に合わせて改修コマンドも充実しているようです。例えば、虎口という設備をつけるとその曲輪の参戦兵数の上限が減少します。各城の特徴に合わせて改修を行っていくモチベーションになりますね。

募兵がリアル

本作では、合戦での勝敗が兵数依存する部分が、これまでのシリーズに比べ弱められているとはいえ、やはり兵数が多いほど有利ではあります。しかし、本作での募兵はこれまでよりも複雑になっており、兵数を増やすことによるペナルティがあります。

新しい試みとして兵が農兵と足軽に分けられています。

農兵を増やすと兵糧収入が減り、足軽を増やすと雇用するために金銭収入が減ります。そのため、兵糧や金銭収入に応じた兵数となります。さらに、農兵は合戦では士気が下がりやすく、足軽のほうが強くなります。こうしたペナルティがあるため、各城の兵数は簡単に増やすことができません。

これまでのシリーズではいずれも兵数が絶対であり、兵を増やすことも比較的容易でした。そのため、兵を増やすことに内政の発展を徹すればよいような感じでしたが、本作では兵数自体が兵糧や金銭収入に依存することから、兵数を単純に増やすという戦略は取ることが出来ません。そのため、戦略がより求められ面白くなっています。

安易に他勢力へ攻め込めない

合戦で大きく改善されている点は、宣戦のシステムにあると思います。

本作では宣戦しなければ、他家を攻撃できません。しかも、宣戦している間は戦が長引くことによる内政へのペナルティがあるため、次々と宣戦していくことは難しいです。さらに、一度宣戦すると相手を滅ぼすか、こちらが滅ぼされるかあるいは、講和しなければ交戦関係は終結しません。講和をこちらから持ちかける場合、相手からはまあまあ大きな物資の要求を受けます。そのため、安易に宣戦することは難しいです。

さらに、宣戦すると近隣大名が、同盟関係や友好関係に応じて、味方と敵陣営あるいは、関係しない中立の陣営にわかれます。そのため、弱小大名でも同盟国がいればそちらからしっかり援軍が来ますので、安易に宣戦できません。この陣営にもリアリティーがあって、味方の味方に宣戦すると、場合によっては同盟関係を平気で破棄され、敵対関係になります。味方陣営と敵陣営にいる大名家の友好度も下がります。

内政が簡単

内政コマンドが非常にシンプルで簡単になっています。

これまでの信長の野望シリーズは、各城が箱庭のようになっていて、各城へいちいち内政の指示を出さなければなりませんでした。各城をコンピュータに委任しても思い通りになかなかなりません。そのため、手動で指示を出そうとすると、年に4回、農業と商業等の各パラメータごとに、各城分の指示を行わなければならず、大勢力になるほど手間がかかり、ゲーム後半になるほどやる気を削がれ、地方統一したらそこから全国制覇を目指す気になかなかなれないゲームでした。また、内政での成果は武将数や武将の能力に依存していました。

一方、本作では内政は各城への指示ではなく、勢力ごとの指示となり、さらに行動回数も大きく制限され、武将数や能力にも依存しないシステムとなっています。そのため、行動回数の制限から一気に内政値が改善することは見込まれず、武将数や能力に依存した内政の発展はないため、大名間の格差が少なく、各大名家が平等に発展できるため、リアリティがこれまでのシステムに比べて圧倒的にありますし、操作も楽になって、RPGのレベル上げ的な面倒くさい作業が本当に減りました。

この内政システムは私は好きですが、評価が分かれるところで、中にはこれまでの箱庭の内政システムが好きな方もいるようです。ただ、本作ではリアリティーの追求のため、これまでのシリーズと大きくシステム変更があったことを考えますと、これまでと違うから良くないというだけで、ネガティブに捉えるのはどうかなと思います。

各武将の重要性が下がっている

合戦時はさておき、内政時の武将数や能力値はあまり重要ではなくなっています。

内政を城ではなく勢力ごとに発展させる仕様変更に伴った結果と考えられます。この変更もリアリティーを追求しており、よいかなと思います。

そのため、武将依存の部分として、評定制度が復活しています。さらに、その評定での各武将の提案や能力に応じて、ツリー形式での政策獲得のシステムがあります。勢力の発展が武将に依存する部分は主にここになります。

このシステムも賛否両論のようで、人によっては武将の存在が軽んじられていてつまらんという人もいます。ただ、前作まででは過度に武将に依存した内政システムのため、滅亡間際の勢力を滅ぼし、その大名家の武将を総取りしないとなかなか発展が続かない感じになっていました。一方、本作ではそれがなくとも戦闘に必要な武将を確保できれば足りるようなイメージであることから、変にゲームの仕様上の要素でリアリティーの全くない、勢力滅亡時の武将総取りを必ずしも目指す必要はなくなっているように思います。いずれにしても、総取りしたほうが有利であることに、間違いはありませんが。

大名の行動パターンに傾向がある

タイトル名にもある通り、各大名に『大志』の設定があり、各大名家の行動原則が定められています。

そのため、概ね各大名は史実通りの行動を取ります。上級モードだと、やはりガツガツ攻めてくるのでそうもいかない大名家もありますが、大大名にも関わらず、積極的に外征しない大名家も出てきます。やはり、戦国シミュレーションゲームであるために、この各大名の行動パターンにもリアリティーを追求している点はとてもよいと思います。これまでの作品でも、こっそり行動パターンの指定があったのかも分かりませんが。。。

まとめ

以上、信長の野望大志のレビューでした。

いずれもリアリティーを追求するために、よく考えられたシステムだなという印象です。少なくともAmazonレビューで2017年12月時点で批判されているほど、悪い仕上がりではないと思います。

2018年3月8日に信長の野望大志の大型アップデートが行われました。その内容についてレビューしましたので、購入を検討されている方は合わせてご覧ください。

2019年2月14日に信長の野望大志のパワーアップキットの発売が予定されています。攻城戦の実装や合戦のコマンドも大きく増えて様々な戦略が取れるようになっているようです。楽しみですね。

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2017年12月11日

Posted by Canteen